退職すると決めたけど、どう行動したらいいかわからないこと多いですよね。。
いつまでに退職を伝えればいいの?
退職理由はどう伝えればいいの?
たくさんの退職者を見送る中で、申し出時期を間違ったり、退職理由によって、上司の対応が変わるのを目の当たりにしてきました。
この記事では、病院・管理者の意見や立場をもとに、退職の申し出時期・正しい退職理由を、退職の流れと一緒に解説していきます。
記事を読み終えれば、退職の流れを理解して、悩むことなく退職に向けて行動することができるようになります。
-
看護師が引き止められず円満退職する方法|伝える時期と話し合いが重要
続きを見る
退職を申し出る前〜退職までの流れ
退職の流れは、退職を申し出る前に、就業規則を確認することから始まります。
退職の流れ
就業規則を確認
退職の申し出について確認する
特に「退職の申し入れは◯ヶ月までに行うこと」など、退職の申し出期日を確認
退職を申し出る
3ヶ月前がベスト
退職日の調整
明確な退職日を決定する
退職届の提出
書式は職場ごとに規定の書式がある
業務の引き継ぎ
委員会やチーム業務、プライマリー患者など
退職
晴れて退職
就業規則の確認
退職は、民法に定められていますが、会社ごとの就業規則にも定められています。
民法;2週間前に退職を申し入れる
就業規則:2ヶ月前に退職を申し入れる(例)
このように、民法と就業規則では、退職の申し入れ期日が異なることが多いです。
退職には辞職と合意退職の申し入れがある
退職には2種類あります。
辞職
辞職は、看護師から一方的に辞めることを宣言し、退職することです。解雇は病院側が一方的に看護師を辞めさせるために使うので、解雇の反対のイメージです。
民法の「2週間前の申し入れ」に該当します。
当事者が雇用の※期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
出典:(民法627条1項)
*派遣看護師以外は雇用期間の契約があるので該当しません。
合意退職の申し入れ
合意退職なので、病院側が認めればいつでも退職できるものです。
病院の合意があれば当日に辞めることも可能です。
退職については、民法が優先されるので、辞職も可能です。
しかし、後味の悪いものなので、就業規則に則った申し出を行い、合意退職することをオススメします。
退職を拒否されて困っている人は、無料相談を利用しましょう
>>退職のお悩みをプロが解決!
>>強い引き止めでも辞めたい看護師が辞める方法|円満退職?退職代行?
上司に退職を申し出る
退職を申し出るポイント
- 直属の上司に申し出る
- 就業規則の期日前、できるなら3ヶ月前に申し出る
直属の上司とは
仕事をしている上で、業務や勤務に係ることを調整し、報告の義務がある管理職。
多くの場合は師長が該当します。
師長は病棟の管理を任されているので、退職の意思は師長へ伝えましょう。
間違っても、師長を飛び越して部長に伝えてはいけません。
師長に伝えず、師長以上の管理者へ申し出てしまうと、ルール違反になります。
罰則はありませんが、師長の機嫌を損ねて、円満退職は難しくなります。
就業規則の退職の申し入れ期日は守りつつ、できるだけ早めに伝える
退職は早く伝えるべきで、3ヶ月前には申し出ることをオススメします。
一人看護師が減るだけで、回らなくなる部署はたくさんあります。
就業規則に則って退職を伝えたとしても、新規採用して補充するには1〜2ヶ月ほど掛かります。
病院が人員補充する時間を確保するためにも、3ヶ月前には行動すると退職が円滑に進みます。
退職日の調整
3ヶ月前の申し入れは、円満退職に近づきますが、退職日を曖昧にされてしまう恐れもあります。

退職日は、病院の締日になるので、月末や給料締日になります。
有給消化について
3ヶ月前の申し出は、有給消化もしやすくなります。
有給使用は、働いている人の権利なので、病院は使用の申し出があったら許可する必要があります。
使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
引用元:労働基準法|e-Gov法令検索
しかし、病院は有給消化を認めないことが多いです。
有給がたくさん余っているなら、早めに申し出ることで、有給消化がしやすくなります。
残っている有給分、早めに退職の申し出をしましょう
有給消化をどうしても認めない職場なら、専門家に相談することをオススメします。
ポイント
20日残っているなら
退職予定3ヶ月前+20日=約4ヶ月前に申し出る
また、有給消化は認めなくても、有給の買取をしてくれる病院もあります。
相談してみましょう。
注意ポイント
有給消化中は雇用契約中です。新しい職場との雇用契約が重ならないように注意しましょう。
退職届の提出

病院ごとに退職届用紙は準備されているので、所定の書式を使用して書きましょう。
退職日が決定していれば、病院側から退職届の用紙を渡されます。
退職届の『退職理由』は、「一身上の都合」で大丈夫です。
退職届の退職理由と、上司に伝える退職理由は違います
業務の引き継ぎ
委員会やチーム活動業務、プライマリー患者を引き継ぎましょう。
年度末退職なら、担当している業務も切りよく終わることができます。
しかし、年度途中で退職する場合は、業務の引き継ぎが必要です。
委員会活動
- 委員会の管理者に辞めることを報告
- 委員会内の役割と進行状況、今後の予定を報告
- 委員会の議事録をまとめる
- 病棟で委員会を引き継ぐスタッフへ委員会内の状況を報告
病棟チーム活動
- チームリーダーと役割を確認
- 担当した業務の進行状況を報告
- 今後の予定を報告
プライマリー患者
- 看護計画の評価
- 退職までの看護サマリーをまとめる
- 後任看護師へ治療の経過と現状を報告
退職までにできる業務はすべて終わらせましょう。
引き継ぎは、可能な限り書面で引き継ぐことをオススメします。
退職後、問題が発生した場合、書面に残しておけばトラブルを回避できる可能性が高くなります。
退職
特にお世話になった先輩や仲のいいスタッフへは、事前に挨拶をしておきましょう。
しかし、公式発表前に退職の情報が流れると、嫌がる上司もいます。


退職は伝え方が大切!ポジティブな退職理由を具体例で紹介
退職をどう伝えるかも、重要なポイントです。
退職理由があいまいだと、病院は引き止める余地があると判断します。
病院を批判するようなネガティブな理由では、上司が反発して円満退職は難しくなるでしょう。
主な退職理由
- スキルアップやキャリアアップ、病院にはない他分野への挑戦
- 体調不良・病気
- 結婚
- 出産、育児、介護
- 人間関係
- 忙しいなど業務に対する不満
では、実際どういう退職理由がいいのか。
ポジティブな理由に言い換えた具体例を紹介します。
どんな理由にしても『退職したい』というワードは必ず伝えます。

スキルアップやキャリアアップ、病院にはない他分野への挑戦
スキルアップ・キャリアップの具体例
これまでたくさんの患者さんを見ていく中で、〇〇の領域についてさらに深く学んでいきたいと思うようになりました。
〇〇領域について専門性の高い環境に身をおいて、さらに上を目指していきたいと考えています。
大変お世話になりましたが、退職をさせていただきたいと思います。
他分野への挑戦の具体例
以前から〇〇分野に興味がありました。
これまでたくさんのことを学ばせて頂き、とても充実していました。しかし、〇〇分野への興味は忘れられずにいます。
ここで学んだことを活かして、〇〇分野へ挑戦をしたいので、〇〇分野のある病院への転職を考えています。
大変お世話になりましたが、退職をさせていただきたいと思います。
ポイント
転職しないと、スキルアップやキャリアアップ、他分野への挑戦ができないことを伝えること
現在働いている病院でできる挑戦では、言い訳に聞こえたり、異動の打診をされる恐れがあります。

結婚
結婚の具体例
この度、結婚することになりました。仕事を続けていくことを考えたのですが、新居からの距離などを考えると、通勤が難しくなります。
大変お世話になりましたが、退職させていただきたいと思います。
ポイント
結婚による退職は、退職する理由としては一番理解されやすく、受け入れてもらいやすい
今回は、新居との距離を理由にしました。
もし、託児所がない病院であれば
「今後、子供ができた時のことを考えて、家の近くの託児所のある病院への転職を考えています」
と付け加えると、今の病院では働けないことが伝わります。
出産、育児、介護
育児の具体例
育休明けから、時短勤務や日勤専従など、ご配慮ありがとうございます。
なんとか頑張ってきたのですが、育児と仕事の両立が難しいことがわかりました。
一度、家に入り、家庭を優先したいと考えています。
大変お世話になりましたが、退職させていただきたいです。
介護の具体例
実家で暮らす家族が病気で倒れて、介護が必要になりました。
家族で話し合い、私が同居して面倒を見ることになりました。
大変お世話になり、もう少し頑張りたかったのですが、退職させて頂きたいと思います。
ポイント
どちらも、家庭の事情なので、素直に現状を伝えることで理解を得られやすくなる
「本当はもう少し頑張りたい気持ちがある」ことを伝え、働きたくても働けない現状を訴えましょう。
人間関係
人間関係の問題については、触れないことをオススメします。
人間関係の問題なら、異動や病棟内の組み合わせを配慮することで対応できるので、引き止めに合う可能性があります。

しかしながら、管理者は病棟での人間関係をしっかり見ているものです。
「人間関係が問題?」と聞かれたら素直に伝えて問題ありません。
それでも、他領域への挑戦などを改めて訴えればOKです。
忙しいなど、業務に対する不満
忙しいなど、業務に対する不満の具体例
日頃の業務や、長時間労働が続いていて、改めて働き方、やりたいことを整理したのですが、以前から関心があった、〇〇領域に携わりたいという考えに至りました。
これまで、たくさんの経験をさせて頂き、ご指導頂いたことを活かせるよう頑張りたいと考えています。
大変お世話になりましたが、退職させていただきたいと思います。
ポイント
忙しいことや業務に対する不満は、あまりぶつけない
環境改善など提案されることもありますが、ときによっては
上司
「あなたの努力が足りない」
「周りはみんながんばってるのに」
とあらぬ方向から諭されたりします。
忙しいなどを理由に辞めたい時は、気持ちが落ち込んでいる事がほとんどです。
少しでも強く言われると心が折れてしまうので、業務の話題は避けるようにしましょう。
まとめ
退職までの流れ、退職理由などを解説していきました。
最後にポイントを振り返っておきましょう。
ココがポイント
- 退職申し出時期は、退職したい3ヶ月以上前
- 就業規則を確認する
- 退職を伝えるのは、直属の上司
- 退職する理由はポジティブな理由をつける
- 『退職する」という言葉を必ずつける
- あいまいな表現にしない
退職の流れをしっかり守れば、問題なく退職できます。
労働者には職業選択の自由があるので、本来は「辞められない」という現象は発生しません。
辞められないのには、何かしらの問題があったり、問題を発生させている可能性があります。
退職をするなら早めに行動し、職場があなたが辞めた後の埋め合わせができるよう配慮するようにしましょう!
辞める過程で、トラブルになりそうな時は、早めに専門家に相談して対策することをオススメします。