
自分の経験じゃ、転職しても仕事は選べないよね
どこからも来てほしいって言われるくらい、看護師としての価値を高めたい!

定年まで40年近く働く長い看護師人生です。
新人看護師時代は「救急救命で働きたい」「患者さんのために頑張りたい」など、目標があったと思います。
30代からのキャリアプランは考えていますか?
厚生労働省は、医療提供体制の改革を勧めており、2040年までに地域医療の整備をしています。

地域医療の整備がされると、急性期特化、回復期特化病院などになり、求められる看護師像も変わります。
社会が変化している中、何も考えずに働いていると
- 転職したくても転職できない
- 機能が変わりゆく病院にしがみつくしかない
- やりたい仕事が選べない
状況になってしまいます。
終身雇用制度が崩壊し、退職金もなくなっていくこれからの社会において、転職の自由を失うのはとても危険な状態です。
そこで大切になるのは、病院や施設から『ぜひ働いてほしい!』と思わせるキャリアを持つことです。
キャリアを持つと市場価値が高まり、転職に有利になります。
今回、自分の市場価値(マーケットバリュー)を高める経験について解説します。
看護師としての自分の市場価値を高めることで、給料アップを実現したり、自由に仕事が選べる将来を手に入れましょう。
こんな方におすすめ
- 将来のことを深く考えていない
- 看護師として将来どう働くか不安に思っている人
- 転職する予定の人
- 求人選びで悩んでいる人
- 市場価値を高めたい人
- 転職で給料アップしていきたい人
看護師も市場価値(マーケットバリュー)を高めることが重要な時代です

厚生労働省が発表している「地域医療構想について」では、2050年には、「治すこと、救うこと」より「癒すこと、支えること」「抱えて生きること、看取ること」の割合の方が多くなることが示されています。
この背景をもとに、医療提供体制の改革が実行されています。
2040年までに実施する医療提供体制の改定
- 地域病院の医療体制の取りまとめ
- 重複した医療機能を持つ病院の整理
- 医療機能の集約
- 地域医療としてネットワーク整備
要するに、超高齢社会に合わせて急性期病院を減らして、老人ホームや療養、訪問看護を増やして地域全体でみていこうという話です。
その結果、複数ある総合急性期病院は減り、より専門性に特化した施設が増えます。
例えば
急性期8割:回復期2割の病院。
2040年に、回復期が廃止され、強みの急性期一本の病院になったとします。
その回復期でのんびり働いていたとしたら?
急性期一本の病院になれば、救急車は連日入り、入院や手術の嵐。
回復期でのんびり働いていたら、病院の変化についていけず、転職することになるでしょう。
しかし、転職したくても回復期の機能を持つ病院に求人はないかもしれません。
求人があっても、回復期に本気で取り組み、専門性を高めた看護師と比べられ、不採用になってしまいます。
結果、興味のない病棟で働くことになり、不満をもつことになるでしょう。
今の病院で定年まで働こうと考えていても、病院の機能が見直されれば
- やりたくない仕事をやる
- 転職をする
- 興味のない領域で働く
ことになってしまいます。
もし、市場価値を高めていたらどうでしょうか?
病棟の役割を率先して行い、回復期看護師としてキャリアアップした実績を持っていれば、他の回復期病院でも就職できたでしょう。
急性期に早めに異動していれば、急性期一本化になって忙しくなる前に、急性期に慣れることができたかもしれません。
このように、看護師の仕事は選び放題に見えている現代でも、国レベルで医療改革が進み、看護師の市場価値を高める必要が出てきているのです。
看護師の市場価値を高めるために、今からしっかりキャリアプランを練っていきましょう!
新人看護師も転職でキャリアの土台を作っていけるので『新人看護師が転職を急ぐべき理由5選【院内教育担当者の体験談あり】』も合わせてご覧ください。
市場価値(マーケットバリュー)を高めるために必要なのは専門性と経験

『転職の思考法』では、市場価値を高める方法の一つに技術資産が挙げられています。
この技術資産とは、他の会社(病院や施設、領域)でも通用する技術的な蓄積のことで
- 専門性
- 経験
の2つに分けられます。
看護師は専門性が高い仕事
看護師は専門職なので、専門性はとても高い仕事です。
専門性が高いため、現在、転職に困ることはほとんどありません。
しかし、専門性は特別なスキルですが、一定の年数を超えると他の人と差がなくなります。
例えば、新人看護師と3年目看護師の看護技術は雲泥の差ですが、3年目看護師と10年目以上のベテランの看護技術の差は対してありません。
看護師の専門性を更に高めるのは認定看護師、専門看護師、診療看護師
認定看護師、専門看護師、診療看護師は、看護師になって一定の条件を満たし、学校に通い、資格試験を経てなることができます。
認定看護師、専門看護師はそれぞれ分野が分かれているので、より専門性が高い看護師になります。
問題は専門性が高すぎることです。
- 資格を活かして転職するには、限られた病院しか選べない
- 限られた病院に同じ資格の看護師がいたら採用されにくい
ので、転職が有利になる資格ではありません。
看護師の差をつけるのは経験
看護技術の差は対して出ませんが、経験は違います。
経験は1年でもかなりの差が生まれます。
経験の差がでるところ
- アセスメント能力
- 急変予知能力
- 急変時対応
- 医師とのコミュニケーション
- 委員会、チームリーダー、病棟役割の経験
- 後輩の指導
- 複数の病院・病棟を経験した知識
など
経験からしか得られない価値があります。
看護技術に関しても、抹消ライン確保の手技の差はありませんが、血管を探す方法やショックバイタル患者のライン確保は、経験の差がでます。
アセスメント能力も、勉強だけでは追いつけません。
実際の経験を踏まえたアセスメントを行うことで、現状や今後の経過を予測した対策が立てられるようになります。
さらに、これまでの経験を伝えることで、後輩育成も担えます。
経験は専門性とは違い、あなたの個性、強みとして大きな価値を作ります。
専門性と経験の掛け算があなたの市場価値(マーケットバリュー)を高めていく
看護師が市場価値を高めていくためには、経験を積むことが大切です。
より多くの経験を積むことで、専門性と掛け合わさり、市場価値を高めていくことができます。
- 市場価値を高める重要性
- 市場価値を高めるために経験が必要
以上を理解できたと思います。
次から、実際どのような経験をすれば市場価値が高まるのかを解説していきます。
将来、どんなことをしたいか、どうなっていたいかは人それぞれ違う


やりたいことなんてありません
安心してください
看護師でやりたいことがある人はほんの一握りです

どのように働いていたいかビジョンを持てと言われても
- 何も思い浮かばない
- どう行動すればいいのかわからない
そんな人が大多数だと思います。
転職の思考法でも、
「人には、2種類のタイプがあります。「何をするか」に重きを置くto do型の人と、「どんな人でありたいか、どんな状態でありたいか」を重視するbeing型の人です。〜中略〜 to do型の人は、「世の中に変革を起こす」「会社を大きくする」などと、仕事の楽しみをto do(コト)で語ります。being型の人は、「尊敬できる人のもとで働く」「プライベートも充実させる」「周囲の人に喜んでもらう」などと、being(状態)を重視します。」
引用:転職の思考法
と述べられています。また、世の中の人の99%はbeing型だそうです。
看護師のto do型
管理職になって病院や組織を変えたい
認定看護師や専門看護師で看護師を極めたい
訪問看護ステーションを立ち上げたい
看護師のbeing型
プライベートも充実させたい
残業せず定時で帰りたい
夜勤したくない
子育てができる働き方をしたい
転職を希望する看護師の多くは「これをやりたい!」と意欲がある人より、「給料や休みを増やしたい」「残業なしでワーク・ライフ・バランスを重視したい」と考えています。

私も子育てができる環境で働きたくて転職しました
being型が悪いのではなく、どんな働き方をしたいかを大切にしながら、適切な経験を積んでいくことがポイントです。
10年後、20年後の将来に向けたビジョンを持つ

どんな働き方をしたいかを考えるために、必要なのは
「次はどうするか」
ではなく
「10年後、20年後の自分はどうなっていたいか」
と、将来に視点を置くことが大切です。
年齢でいうなら40代、50代でどうなっていたいかを目標に置きましょう。
冒頭にも書きましたが、2040年には病院は整理され地域ネットワーク化が進みます。
10年〜20年後、どうなっていたいかを今から考えることで、2040年に備えることができます。

どんなビジョンが考えられるかをざっと書き出してみましょう
- 管理職になりたい
- 訪問看護など事業所を立ち上げたい
- 専門看護師、認定看護師、診療看護師になりたい
- スペシャリストになりたい(一つの科目、領域を極めたい)
- とにかくプライベートを充実して働きたい
- 結婚して子育てしながら働きたい
明確な目標、生活重視の曖昧な目標、どちらでも大丈夫です。
大切なのは、今をただ生きるのではなく、これからの看護師人生をどうしていくか考え始めることです。
看護師の目指せる将来像は4種類

ざっと書き出したビジョンから見えてくる将来像は4つ
- ジェネラリスト
- スペシャリスト
- マネジメント
- 独立・起業
キャリアプランの考え方は『看護師のキャリアプランは超重要|5つのプランと実現させる具体的行動を解説』でも詳しく解説。
ジェネラリスト
ジェネラリストは、幅広い知識と経験を持つ総合力の高い看護師のこと。
幅広い知識と経験を持つことで、どんな診療科でも働くことができます。
2040年の医療提供体制の改革で、病院の環境が変わっても柔軟に対応できます。
また、どこでも働ける強みがあるので、転職の窓口は広くなります。
一方、専門性がないため、医療提供体制の改革で専門性を高めた病院では通用しなくなる恐れがあります。
若いうちにICUなどのハイケアを経験することで、アセスメント能力を高めてから、各分野を経験することをオススメします。
ICUの経験はアセスメント能力を高めるだけでなく、専門性も学べます。
ジェネラリストでありながら、ICUを経験していた経験が、医療提供体制の改革後、役にたつ可能性があります。
参考 新人看護師にICUをオススメする5つの理由!アセスメント能力を鍛える
スペシャリスト(専門看護師、認定看護師、診療看護師)
スペシャリストの代表は、専門看護師、認定看護師、診療看護師です。
一定以上の看護経験を積み、改めて学校に通い直し、資格を取得する必要があります。
医療提供体制の改革で専門性が出てきた時、スペシャリストの輝く病院は増えてくることが予想されます。
専門・認定・診療看護師は、それぞれ受験資格が定められ、一定以上の臨床経験を積む必要があります。
殆どの看護師は、いずれかの病院に所属しながら学校に通うことになるので、病院の協力は絶対条件です。
女性は結婚や出産で仕事や通学が困難になることもあるため、いつまでに資格を取るのかしっかり人生設計も必要です。

目指す資格を早めに決め、病院選びをしましょう
専門看護師の受験資格
- 看護師の資格を有する
- 看護系大学院修士課程終了者で所定の単位を取得している
- 実務研修が通算5年以上、うち3年以上が専門看護分野の実務研修である
認定看護師の受験資格
- 看護師の免許を有する
- 実務研修が通算5年以上、うち3年以上が認定看護分野の実務研修である
- 認定看護師教育機関で6ヶ月、615時間以上の教育課程を終了している
診療看護師の受験資格
- 看護師の免許を有する
- 実務経験5年以上
- 診療看護師教育課程の大学院に2年間在籍
- 看護学修士の学位を得る
マネジメント
管理職は、人事の問題なので、自分の希望でなれるわけではありません。
しかし、管理職になる多くの看護師は、
- 外科や急性期病棟
- 教育委員会
- チームリーダー
を経験しています。
管理職は、主任⇨師長⇨副部長⇨部長の流れで上がっていきます。
入り口の主任にならなくては、その上を目指すことは不可能です。
まずは、急性期や外科系の病棟で経験を積みましょう。
その中で、教育委員やチームリーダーを経験するのが近道です。
参考 看護師の委員会活動は面倒?キャリアアップできるチャンスを逃がすな!
独立・起業
看護師は起業することができます。
- 訪問看護ステーション
- 看護小規模多機能型居宅介護(看多機)
それぞれ、看護師の資格で運営可能です。
独立することで、病院ではできなかった看護を提供できるようになります。
独立・起業は、運営の経験を積むことができるので、市場価値はグッと上がります。

独立が失敗しても「失敗の経験」は市場価値を高めてくれます
今の職場で将来のビジョンに向けた経験が積めるか考える

将来のビジョンが考えられたら、あとはそこから逆算していきましょう。
逆算することで
- 転職せず、今の環境で達成できる
- 転職して環境を変える必要がある
など、今やるべきこと、できることを明確にできます。
ビジョンにあった環境なら、転職せずにキャリアアップしていきます。
もし、今の環境でキャリアアップできないなら、転職を考えるべきです。
キャリアアップできない環境に長くいることは、10年後の自分から遠ざかり、2040年の医療機関が集約される専門性の高い環境に適応できなくなります。
自分のキャリアプランは自分で作り、人に流されるような人生にならないようにしましょう。
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私もマイナビ看護師で転職して、株式会社に就職しました。
病院とは違い、企業理念の理解度や、自分がどう役に立つのかなどアピールする必要があったのですが、事前に企業担当のコンサルタントが対策してくれていたので、安心して挑むことができました。
看護師だからって病院に縛られる必要はないですよ!
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まとめ
看護師の市場価値を高める理由と方法
- 2040年には、病院の専門性が高まり、看護師も専門性や経験が求められる時代が来る
- 専門性と経験が市場価値を高める
- 将来のビジョンを持つ
- 将来のビジョンから逆算して、経験するべき領域を考える
- 今の職場は自分の将来のビジョンを叶えられる環境なのか考える
- 環境が悪いなら転職して自分のキャリアアップを目指す
医療体制は国レベルで変化していきます。
病院の専門性が変わっていけば、看護師に求められることも変わっていきます。
「いつでも転職すればいいや、看護師だから仕事がなくなることはないよ」
と気楽にいられるのは今のうちです。
将来、働きたい環境で働くために、今から自分のキャリアプランを見直し、経験を積みながら市場価値を高めていきましょう!