病院や施設を変えたり、専門の違うところに転職すると、働き方がガラッと変わってしまいます。
働き方が変わると、どんな生活になるのか想像できずに不安になりますよね。
私はICUで8年間働き、主任をしていましたが、有料老人ホーム兼訪問看護の施設に転職しました。
超急性期から、療養・訪問看護の真逆の転職だったので、働き方が大きく変わりました。
今回、転職をすることで感じた、メリットとデメリットをまとめて、この転職は成功だったのか、失敗だったのかを考えていきたいと思います。
転職を考えた理由
ICUで長く働いていたのに、転職を考えたのは
転職を考えた理由
家族を大事にしたい
- 家族との時間を大事にしたい
- 家事・育児にもっと参加したい
やりたい仕事をしたい
- 患者の望む生活をサポートしたい
- 急性期ではなく、訪問看護に興味がある
という思いが強くなったからでした。
特に、3人いる子供との関わりを多くしたいと考えたのが一番のキッカケです。
転職は成功した?失敗した?

これは心から感じることです。
家にいる時間は増えた
仕事とプライベートで、気持ちを切り替えることができる
では、具体的にどこが成功したのか、失敗したところはなかったのか、まとめていきます。
8つの転職に成功したこと
転職して手に入れたもの
- 出勤時間1時間遅くなった
- 退勤時間が1時間早くなった
- 自分のペースで働けるようになった
- 気温の変化や天候に鈍感になった
- 休日が増えた
- 夜勤が減ったし内容が楽になった
- 看護師の役割を実感できるようになった
- プライベートが充実した
転職したことで、これだけのものを手に入れました。
出勤時間が1時間遅くなった
ICUは、患者の移り変わりが多く、1日で患者が半分入れ替わることもありました。
そのため、勤務時間の1時間前には出勤して、情報収集をしないと間に合わない状況でした。
家から距離もあったので、家を出るのは毎朝6時40分頃。
しかし、転職後の有料老人ホームは、患者さんの変化もなく、入居も事前にわかるので、急いで出勤する必要がありません。
少し通いやすい距離の施設なので、出勤は7時40分頃に家をでれば十分間に合います。
ここで得た一番の幸せは
子どもの幼稚園の見送りができるようになった
ことです。
毎日、子どもを見送ってから仕事に行けるなんて思いもしませんでした。
退勤時間が1時間早くなった
有料老人ホームの業務は、ある程度決まっています。
緊急入院や緊急処置はないので、定時上がりが可能です。
たまに、時間外になるのは
- 入居の書類整理に手間取った
- 夕食介助が遅くなった
- 往診が夕方になり記録が遅くなった
程度の内容で、週に1回あるかないかです。
時間外の余計なお茶タイムを避ければすぐに帰宅です
自分のペースで働ける
緊急入院や緊急処置がないので、タイムスケジュールが崩されることはありません。
施設の予定に、自分の予定を加えていくだけなので、毎日ルーティンワークで働けます。
施設で決まっている時間処置は
- おむつ交換
- 食事時間
- 入浴
なので、その間にバイタルサイン測定と、処置を入れていけばいいだけです。
往診時間が読めないのがたまに傷ですが、いつ来てもいいように早めに行動しておけば問題なく働けます。
気温の変化や天候に鈍感になった
急性期の病院で働いた人ならわかると思いますが、いきなり寒くなったりすると、緊急入院が増えますよね。
ICUで働いていると、夏以外は気温の上下や、真冬の寒さで病気になる人が多く、緊急入院ばかりでした。
寒くなると休みの日でも

と怯えていました。
もちろん、今はそんなことを感じません。
四季の変化を心から楽しんでいます
休日が増えた
病院職員の年間休日は、施設によって異なると思います。
ポイント
ICU時代・・・・・・年間休日108日
有料老人ホーム・・・年間休日115日
なんと、7日分も増加したんです
一般の人からすれば少ない休日かもしれませんが、増えた私は満足しています。
夜勤が減ったし内容が楽になった
ICUは、看護師の入れ替えが激しく、慢性的に人員不足でした。
常に夜勤は7〜8回入っている感じです。
主任になってからは、5〜6回と減りました。
ICUの夜勤中は
ICUの夜勤
- 重症患者の管理でずっと集中
- 座らずベッドサイドで動き回る
- 緊急入院が来る
- 術後の入室 など
常にストレスフルな状況でした。
有料老人ホーム
- 食事の配膳、介助
- ラウンド
- おむつ交換
- 体位交換 など
のみで、あとはのんびり記録をすれば終わりです。
入居者は多いので業務量はありますが、楽な気持ちで働けています。
看護師の役割を実感できる
病院にいると、看護師は「医師の指示の下」看護を行い、医療の補助ばかりでした。
急性期なので、治療に全力が注がれていました。
しかし、緊急入院になったときは、命を助けることを優先するあまり、患者さんや家族の思いが後回しになっていると感じることも多くありました。
本人;延命なんてしてほしくない
家族;その人らしく生きてほしい
そんな思いがあるのに、倒れたときに
病気を理解できずに、先生に言われるがまま緊急手術をしてしまった
など、本人の思いが無視されてしまうことがありました。
どうしても私は受け入れられなかった。
有料老人ホームはゆっくり関われる
有料老人ホームは、医師の常駐はないので、家のように暮らすことができます。
本人のやりたいことを、できる範囲で尊重して生活を支えることができるんです。
看護師として
- バイタルサインやフィジカルアセスメント
- 医療ではなく療養上でできる範囲の支援
- 訪問看護の範囲での医療処置
をすることで、看護の力で生活を支えていることを実感できています。
仕事にやりがいを感じることができました。
プライベートが充実した
- 朝はゆっくり、夜は早く帰ってくる
- 仕事も自分のペースでできるし、ストレスも少ない
- 休日が増えて、仕事とプライベートで切り替えられるようになった
ここまで、環境が変わるとプライベートがとても充実します。
- 仕事の日は疲れて子供と遊べなかった
- 休みの日も、夕方には次の日の仕事スイッチが入っていた
こんな負の感情はなくなり、幸せな時間を送っています。
5つの転職で失敗したこと
成功があるなら、失敗したこともあるはず。
転職前から気づいていましたが、あえてまとめると
ココがダメ
給料が下がった
医師にすぐに相談できない
幅広い知識が求められる
キャリアをうまくいかせない
人間関係の再構築が必要
こんな感じでした。
給料が下がった
これは求人情報や、雇用契約書にも書いてあるので、転職前に気づいていた点です。
給料は、年収100万近く下がりました。
しかし、ICUで働いていたときの給料を見返すと、残業代でかなりの額を稼いでいる計算に。
給料が下がるのは、生活をする上ではかなりの痛手ですが、転職の目的の
- 家族との時間を大事にしたい
- 家事・育児にもっと参加したい
を考えれば、あまり重要視しませんでした。
実際のICU時代の給料はこちらを御覧ください
医師にすぐに相談できない
病院と違い、常駐の医師はいません。
- 熱がある
- 血圧が高い
- 血糖が高い
- なんだかレベルがおかしい
など
病院にいた時は、気軽に連絡して見てもらうことができましたが、医師が常駐していない施設ではそれができません。
これらのアセスメントを自分でしなくてはいけないので
看護師のアセスメント能力が求められる
ことになります。
さらに詳しく
どの状況で、医師に報告するのか
看護診断はなにか
医師への報告は、簡潔にわかりやすく
報告はとにかく意識しています
幅広い知識が求められる
有料老人ホームはいろんな疾患がいます。
問題が起きた時、その症状から自分で予測をたてる必要があるので、幅広い知識が求められることになります。
医師も、町の往診医が来るので、薬もそれぞれ異なり、ジェネリック医薬品も使用されているので、名前が違うけど効能は一緒だったりします。
病気に限らず、覚える薬も多くなります。
薬に関しては覚えきれないので、その都度調べちゃいますけどね。
わからないものはその都度調べれば大丈夫
キャリアをうまくいかせない
ICUの重症管理の知識は、ICUでしか活きないのかなと感じることが多いです。
病院と同じような看護をしようとすると、やはり限界はあります。
ICUで培ったもので、一番活かされているのはフィジカルアセスメントの技術です。
この技術は、どんなところで働いていても活かせるんだなと感じます。
フィジカルアセスメントの技術はどこで働いても重要
人間関係の再構築が必要
転職の一番の問題は、人間関係です。
今まで働いていた職場は、良くも悪くも私を知ってくれていました。
私も同僚を理解していたので、話し方や言われ方に慣れがありました。
しかし、新しい職場はお互いを知らないので、とても気を使います。
- 何を話していいのか
- どんな意図で話しかけてきているのか
- 影で話すタイプの人なのか
- いじめてくるかな
など
3ヶ月くらいしてくると、ある程度見えてくるので気にならなくなってきますが、初めはかなり疲れます。
人間関係がものすごく悪い環境に入職してしまうかもしれません。
これだけは、避けたいので、転職活動のときにしっかり現場の見学をさせてもらいましょう。
ポイント
挨拶はあるか
笑顔はみられるか
職員同士でコミュニケーションをとっているか
看護師の歩く速度はゆっくりか
など確認しておくといいです。
あいさつは特に重要です。
劣悪な環境では、あいさつがなくなるので、しっかり確認しておきましょう
注意が必要なこと
初めて転職をする人は注意が必要なことがあります。
注意ポイント
- 初回のボーナスは少ない
- 住民税が一気に請求される
実は知らないのではないでしょうか。
初回のボーナスは少ない
ボーナスは、一定期間働くともらえるものです。
そのため、途中入職者の初回のボーナスは、ボーナス算定に必要な期間を十分に満たしていません。
新人看護師時代を思い出してください。
4月に入職したときの夏のボーナスは、数万円だけでしたよね。
4月に転職したなら、夏のボーナスは新人時代に戻ると覚えておきましょう
住民税が一気に請求される
住民税は、今まで職場が代理で払ってくれていました。
転職先では、代理で支払う手続きがされていないので、あなたの元に市から請求が来ます。
看護師の給料はそこそこ高いので、年間で15〜20万円近い額は覚悟しておきましょう。
大体は年間を4回に分けて4期請求で来るはずです。
転職後も、給料から事前支払いをしてもらいたい時は、事務員に手続きの相談をすると解決できます。
退職金をたくさんもらったからと、使ってしまうと痛い目を見ます
最後に
これが私の転職の成功と失敗です。
最後にまとめると
8つの成功したこと
- 出勤時間1時間遅くなった
- 退勤時間が1時間早くなった
- 自分のペースで働けるようになった
- 気温の変化や天候に鈍感になった
- 休日が増えた
- 夜勤が減ったし内容が楽になった
- 看護師の役割の大きさを実感できる
- プライベートが充実した
5つの失敗したこと
- 給料が下がった
- 医師にすぐに相談できない
- 幅広い知識が求められる
- キャリアをうまくいかせない
- 人間関係の再構築が必要
こんな感じです。
失敗したことは、事前に想像していた通りだったので、あまり失敗だとはお思っていません。
転職の目的を果たせて、充実したプライベートを手に入れることができたので、とても幸せに生活することができています。
転職することに重要なのは、
ポイント
- 転職することで何を得たいのか
- 転職することで何が問題なのか
をしっかり把握して行動することです。
問題については、私の失敗例が役に立つと思うので、ぜひ参考にしてください。
幸せな看護師ライフを送るために、自分にあった職場を探しましょう!
働く場所を選ぶためには、自分にあった転職サイトを選ぶことも重要な要素です。
15社の転職サイトを比較したので、こちらも御覧ください。