
ICUで働いてみたいけど、重症ばかりで怖いです
そんな印象も持っているのではないでしょうか。
私もICUで働く前は、すごい大変そうだしやっていけるのかなって不安でした

確かに楽な仕事ではありません。
しかし、実際に配属されると、重症患者ばかりで不安もありましたが、それ以上にたくさんのいいところを発見しました。
ICUは少人数受け持ちなので、アセスメント能力を高め、急変対応などたくさんの看護師に必要なスキルを身につけることができます。
私の経験上、20代の若い世代が転職する部署としてとてもオススメです。
今回は20代だからこそオススメする理由をまとめて見ました。
これを読めば、ICUをオススメする理由、辛いところ、ICU看護師になる方法を知ることができます。

まだ新人だし、ICUに転職なんて…
新人看護師だからこ、早く転職したほうがいいですよ

新人看護師が転職しちゃいけないなんて、ただの妄想です。
新人看護師が転職を急いだ方がいい理由を『新人看護師が転職を急ぐべき理由5選【院内教育担当者の体験談あり】』でまとめています。
ICUに向いている看護師の特徴5選

見出しテキスト
- 勉強熱心、向上心の高い人
- 看護師の基礎技術を高水準で獲得したい人
- 医療機器の勉強が辛くならない人
- 家族の気持ちに寄り添える人
- 気持ちの切り替えができる人
ようするにICUに向いているのは
『ICUで働く上で辛いこと』を乗り越えるだけの力を持っている人です。

勉強熱心、向上心の高い人
毎日の学習範囲は狭いですが、学習する内容は深く濃くなります。
一つのことをしっかり突き詰めて勉強していく努力が必要です。
私は、ICUに新人で入職したときは、昼休憩時間も勉強していました。
私の体験談
- 常にベッドサイドには参考書
- わからないことはすぐに調べる
- 午前中のわからないことは昼に調べる
- 調べたことを午後に先輩に報告
- 調べきれなかったことを家に帰って勉強
- まとめたものを翌日先輩に提出する
- その代わり休日は一切勉強しない
以上を徹底していました。
一人しか受け持たない日は、学習内容と患者の病態を結びつけながら仕事をすることができたので、活きた知識を得ることができました。
病棟では、業務に忙殺されて業務中に勉強することは難しいので、ICUならではの特権です。
看護師の基礎技術を高水準で獲得したい人
20代看護師にICUをオススメする理由でも上げましたが、基礎技術を獲得したいなら間違いなくICUが一番です。
看護師の中でも、トップクラスに知識の深いICU看護師に囲まれながら、指導を受けることができます。
ICUには認定看護師が配属されていることも多く、とてもわかりやすく基礎から教えてくれます。
私は、ICUで基礎技術を獲得できたので、どの病棟に手伝いにいってもアセスメントの助言をできる程になりました。
逆に、病棟によって技術の差が激しいんだなと痛感しました。

自分の技術を見直すために、ICUへ転職するのもオススメです
医療機器の勉強が辛くならない人

私は機械オンチだから不安です
基本的に、医療機器の管理は臨床工学技士、設定の変更や調整は医師です。
看護師が行うのは、医療機器を使った患者の全身状態管理、観察、報告を行うことです。
- 輸液ポンプを利用して点滴を正確に落とす
- 呼吸器の設定が患者に合っているか観察する
- 医師の支持に従い設定を変更する
- 循環維持装置が正常に作動しているか確認する
- 必要に応じて医師に報告し、設定を変更してもらう
などが主な役割です。
しかし、こうはいっても医療機器の扱いをある程度学ぶ必要があります。
機械と聞くだけで拒絶反応が出てしまうくらい嫌いな人には難しい環境です。
家族の気持ちに寄り添える人
重症で命の瀬戸際にいる患者の家族の精神状態はとても不安定です。
その家族を支えるためには、ICUで必要な知識以上に、家族に寄り添える人間性が問われます。
家族によっては、不安を怒りに変えてぶつけてくる方もいます。
相手の気持ちを理解して、そんな不安も受け止めて支えられる看護師は、ICUに一番必要な適性を持っている人です。
ぜひ、ICUで家族看護に力を発揮してください。
気持ちの切り替えができる人
仕事中、常に緊張状態にあります。
刻一刻と変化する患者の状態は、少しの気の緩みを見せている間に急変する危険があります。
気を張り詰めすぎると、ミスじゃないミスも自分のせいだと感じてしまうことも少なくありません。
大切なのは、この緊張状態を仕事以外まで引きずらないことです。
病院でも、家でも緊張状態や不安状態が続くと、看護師の心が病んでしまいます。

私もストレスチェックは常に赤点ばかりでした
気持ちの切り替えができることは、ICUの適正に欠かせない要素です。

そもそもICUってどんなところ?

ICUとは
“集中治療のために濃密な診療体制とモニタリング用機器、ならびに生命維持装置などの高度の診療機器を整備した診療単位”
引用:集中医療医学会
と定義されています。
簡単にまとめると『日本でできる最大限の医療を提供できる環境』です。
この環境には施設基準はもちろん、ICUに関わる医師、看護師、薬剤師、臨床工学技師、栄養士、事務(クラーク)などすべての業種のパフォーマンスも含まれます。
ICUは命の最善前で戦う現場です
ICU治療の目標
ICUは重症患者の命をつなぎとめることが目標ではありません。
集中医療医学会の掲げるICUの目標は『長期予後の改善』です
“ICU退室後を見据えた重要臓器の機能サポートおよび合併症予防”が必要です。長期予後の改善という最終目標の達成のためには有能なICUチームの存在が不可欠です。
引用:集中医療医学会
常に患者の今後の生活や将来を見据えた治療を行います。
生命の瀬戸際にいる人でも、助かった先を見越した看護をしていく職場です。
重症患者さんがICUを退室した将来を見据えた介入が必要!
今を乗り切るだけじゃないよ!
ICU看護師になる方法

さぁ、ここまで読んで頂いたみなさんはICUに興味が湧きましたか?
最後に、ICU看護師になる方法を説明したいと思います。
ICU看護師になる方法は以下の2つ。
ICU看護師になる方法
- 院内のICUへの異動希望を出す
- ICUのある病院へ転職して配属してもらう
【注意】ICUのある病院は少なく、病院によってICUの特色は変わる
ICUは即戦力になる看護師しか配属されないわけではありません。
ICUで働きたい、ICUで学びたいという熱意さえあれば、配属してもらえる可能性は高いです。
20代の転職は、一番伸びる時期の転職になるので、戦力を育てたい病院にとって、とても魅力的な人材になります。
問題は、ICUのある病院は少ないこと。
さらに、病院ごとにICUで受け入れている主科は異なります。

私の病院は心臓血管外科と循環器内科が多かったですが、他の病院では消化器外科や呼吸器外科がメインの病院もあります
自分のチャレンジしたい分野と、その症例の多い病院を探す必要があります。
院内のICUへ異動希望を出す
現在働いている病院にICUがあるなら、ICUへの異動希望を出しましょう。
上にも書きましたが、ICUのある病院は少数です。
もし自分の病院にICUがあるなら、まずはそこにチャレンジすることをオススメします。
しかし、院内希望がすぐに通ることは少ないですね。
そんなに待つなら、いっそ転職したほうが早くICUへチャレンジできそうです。
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ICUへの異動希望を出して異動まで1~2年かかったという後輩がいました
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看護師転職サイトについてはいろんな意見がありますね

看護師転職サイトが不安という人は『看護師転職サイトを使わない方がいい7つの理由|使わないと後悔する?』も参考にしてください。
楽して働きたい方は、『看護師の楽な仕事・職場30選を紹介|何年目からでものんびり働ける』をご参照ください。
ICUで必要な看護

ICUで行う主な看護
- 患者の状態観察/アセスメント
- 医療機器の管理
- 日常生活援助
- 家族ケア
ICUは治療が最優先の環境なので、看護師も治療に目線が行きがちです。

プチドクターなんて言われたりします
しかし、私達の仕事は『看護』であることを忘れてはいけません。
患者の状態観察
ICU入室している患者の変化は目まぐるしく、分単位、秒単位で変わります。
常に患者のそばにいる看護師の役割は大きくなります。
- 検査データの把握・評価
- レントゲンやCTの評価
- モニタリング
- バイタルサインのチェック
- フィジカルアセスメント
など
こまめに実施し、異常の早期発見が求められます。
医療機器の管理
ICUでは、人工呼吸器や輸液ポンプを始めとする、あらゆる医療機器を扱います。
役割 | |
医師 | 医療機器の設定・変更指示 |
臨床工学技士 | 医療機器の維持・管理 |
看護師 | 医療機器を利用している患者の管理 |
臨床工学技士もサポートしてくれますが、患者管理を行うのは看護師です。
- 患者の状態観察
- 状態に合わせて医師に報告
- 医療機器の設定変更を医師に進言
- 医師の指示の下、設定変更操作
- アラーム対応
など
を行います。
日常生活援助
医療機器が使用されていたり、全身状態不安定のため、日常生活援助はすべて看護師の役割です。
看護師の行う日常生活援助
- 毎日の清拭
- 6~8時間おきの口腔ケア
- 体位交換
- 褥瘡予防
- 栄養管理
- 食事介助
- 早期離床
- ベッド上リハビリテーション
など
体位交換だけでも、血圧低下や酸素化不良を起こします。

すべてがハイリスクですね
医療機器がつながっているケースがほとんどなので、常に看護師2名以上で対応します。
家族ケア
緊急入院で生命の瀬戸際に立っている患者もたくさんいます。
数時間前まで元気だったのに、突然ICUに入院している患者をみている家族の精神的負担は計り知れません。
ICUで関わる家族の特徴
- 放心状態になる人
- 患者(家族)が助かるのか不安な人
- 助かると信じて諦めない人
- 助からない事実を聞いて落ち込む人
- 受け入れることができず怒る人
など
このように、たくさんの家族がいます。
家族の心をみるのも看護師の役割です。
家族看護の一例
- 面会の調整
- 患者の状態(病状説明は医師)
- 前回の面会から変化の共有
- 看護師が行っているケアの説明
- 家族の状態の確認
- 患者と家族の関係性
- 患者の日頃の思いの傾聴
- 家族の思いの傾聴
など
少しづつ家族と距離を縮めながらケアしていきます。
患者と家族の関係性を知ることは、家族看護に欠かせません。
ICUに入院して不安になっている家族の心に寄り添い、支えていく必要があります。

ICUで働くメリット・おすすめの理由5選

ICUがオススメな理由
- 高い水準の看護技術が身につく
- 受け持ち人数が少ないので集中して看護ができる
- 毎日の勉強範囲が狭いので、集中して学ぶことができる
- 20代はわからないことを聞ける時期
- 急変時の対応、急変させない対応が身につく
ここからは、なぜ20代看護師にICUをオススメするのか詳しく解説していきます。
ICUで身につく知識と技術は、転職にも有利です。
看護師の市場価値について『看護師の市場価値を高める方法は1つ|将来のビジョンに向けた経験が重要』を参照。
高い水準の看護技術が身につく

ICUで学べる能力
- フィジカルアセスメント能力
- 医療機器の操作、管理
- モニタリング
ICUで学べる能力は、看護師なら必須の基礎能力です。
看護師必須の能力を、集中して深く学ぶことができるのが、ICUの最大のメリットになります。
フィジカルアセスメント能力
フィジカルアセスメントとは
- 問診とフィジカルイグザミネーション(視診、触診、聴診、打診)
- 検査結果
- 疾患
- 既往歴
- 経過
など
すべての状態を含めた状態評価
フィジカルアセスメントは、看護師ならどんな環境で働いても求められる技術です。
ICUなら、胸部の聴診一つでも
- 肺を10区画に区分して聴取する
(フィジカルイグザミネーション) - 血ガス、検査結果、CTやレントゲン結果の確認
- 肺音を評価する(アセスメント)
- 問題があれば、改善するために対応する
(体位ドレナージなど)
このような技術を学ぶことができます。
問題を評価して終わらず、対応する技術も身につきます
フィジカルイグザミネーションとは

フィジカルイグザミネーションは、身体検査のことを意味します。
基礎看護技術の問診・視診・聴診・触診・打診などを用いて、患者の状態を把握します。

フィジカルイグザミネーションの技術は、すべての領域で必要な技術です
しかし、自己流や自己判断が多く、やり方が正しいか確認することができません。
ICUでは正しいやり方を学び、他の情報と合わせたアセスメントができます。
医師の評価も聞けるので、自分の評価との違いや考え方を学べます。
この環境が、高水準の看護技術が獲得できる理由です。
医療機器の操作・管理

医療機器の操作なんてできなくても、機器を使わない部署にいけばいいじゃないですか
残念ながら、どんな部署にいっても医療機器は扱います

輸液ポンプやシリンジポンプ、呼吸器などの医療機器は、どんな部署でも必ず使います。
在宅でも使用するので、病院なら年に数回は使用することになります。

登場する頻度の問題か
毎日扱っているなら慣れますが、年に数回しか登場しないと、そのたびに勉強してもまた忘れてしまいます。
ICUなら体に染み込むので、忘れることはありません。
というか、忘れることができないくらい扱います。
ICUなら医療機器の取り扱いに抵抗がなくなる
ICUに常備されるべき医療機器
- 救急蘇生装置(気管挿管器具、気管切開器具、用手人工呼吸バッグなど)
- 人工呼吸器
- 除細動器
- ペースメーカ
- シリンジポンプ
- 輸液ポンプ
- 心電計
- ポータブルX線撮影装置
- 生体情報連続モニタ(心電図、圧2チャンネル、パルスオキシメータ)
特定機能病院においては圧3チャンネル以上を推奨する。 - 体温測定装置
- 酸素濃度計
- 小外科手術器具(静脈切開、胸腔・腹腔穿刺など)
集中治療部内で以下の項目が常時測定できること
- 血液ガス分析
- Na、K、Ca
- 賦活凝固時間(ACT:activated coagulation time
- 血糖値
- ヘモグロビン値またはヘマトクリット値
引用:集中医療医学会
救急蘇生装置、除細動器以外はほぼ毎日使用します。
ICUで使用する機械になれておけば、どんな部署に配属されても使えない医療機器はなくなります。
初めての見る機器と出会ったとしても、ICUで使用する機器の応用で理解することが可能です。

ICUにいれば機器の使い方がわからなくなっても、臨床工学技士が丁寧に教えてくれますよ
モニタリング
心電図モニターもよく登場する機械です。
心拍確認をするだけになっている部署もあると思いますが、それではもったいないです。
心電図モニターからたくさんの情報を得ることができて、急変の予兆がわかることもあります。
予兆がわかれば心構えができますし、急変する前に対応することができます。
フィジカルアセスメントとバイタルサインを合わせてアセスメントすると、より患者を把握できます。
モニタリングで急変の予兆がわかる
一度覚えてしまえば、マニアックな症例以外の波形は忘れることはありません。
一生使えるスキルになります。

受け持ち人数が少ないので集中して看護ができる

病棟では7人前後を受け持ち、検査や手術対応、ナースコール対応で業務に追われてしまいます。
ICUは看護体制が2:1のため、最大患者2人しか受け持ちません。

1人受け持ちの日も多いですよ
少人数の受け持ちは、患者のそばにいる時間が増えて、患者の状態を把握する時間がとれます。
- 患者が今どうゆう状況か
- 何をしてあげればいいのか
- 何をしてほしいのか
などを考え、看護する時間を作れます。
患者に看護をする時間がない、仕事に追われて辛くなる話をよく聞きます。
ICUならしっかり関わる時間が作れ、看護をする実感を持てます。
一人一人に向き合い、深く関われることが最大の特徴です
毎日の勉強範囲は少ないため、集中して学ぶことができる

勉強は、受け持った患者の疾患や、薬、検査データなどをもとに調べます。
ICUと病棟の勉強範囲の違い
7人受け持ち:
7疾患+薬+疾患に合わせたデータの読み方
1人受け持ち:
1疾患+薬+疾患に合わせたデータの読み方
日勤後、19時から22時まで毎日勉強したとして、3時間しか勉強時間はありません。

3時間で7人分調べ上げるなんてできません
ICUなら1人分だけで大丈夫です

1人ならかなり深く掘り下げて学ぶことができます。
深く調べて、一人一人の状態に合わせたアセスメントをすることで、フィジカルアセスメント能力を身につけることができます。
学ぶことは多いので、1年は勉強漬けになることも覚悟しましょう
わからないことを素直に聞ける20代がオススメ

新人看護師は、わからないことが前提なので先輩が教えてくれます。
中堅になる30代は教える立場の年齢なので、知識的な疑問は質問しにくくなります。
20代なら教えてもらえる雰囲気があって、わからないことも聞きやすい年代です。
ICUに興味があるなら、ぜひ20代のうちにチャレンジしてください。
学ぶ姿勢のある看護師は可愛がってもらえます
急変時の対応が身につく


急変はこわいです
急変はどんなところで働いても、必ず直面します。
看護体制が2:1のICUは、病棟より人手もスペースも機械も揃っています。
頼りになる先輩がそばにいて、医師もすぐに対応できるので、急変があっても安心です。
急変の数も、病棟より多いので経験も積めます。
看護師として中堅以上になると、急変対応は周りに指示を出す側になってきます。
早いうちに急変対応に慣れておくことをオススメします。
整った環境で急変対応することができる
ICUは重症患者の管理をするけど、急変は少ない
急変は病棟より多いですが、実はイメージほど急変しません。
急変というのは、予期していない状態の悪化です。
ICUは、24時間のモニタリング、こまめなフィジカルアセスメント(少なくても2〜4時間おき)をしているので、状態の変化にすぐ気づくことができます。
状態が崩れやすい患者は、事前に把握しているため、急変というより予期した状態悪化です。

心の準備ができるので、慌てず対応できます
落ち着いた環境で急変対応になれておけば、どんな環境にいっても慌てることはなくなります。
ICUは急変させないための看護をする場所

ICUで働くデメリット、辛いところ4選

ICUで働くツライところ
- 重症患者の対応と、急変するかもしれないプレッシャーがある
- 学習することが多く、深い
- ICUでしか使わない機械類も覚える
- スタッフがピリピリしてい
ICUの辛いところも確認しておきましょう。
重症患者の対応と、急変するかも知れないプレッシャーがある
ICUは院内の選りすぐりの重症が集まる部署です。
緊急入院の重症ももれなくICUに入ります。
血圧の小さな変動や、モニタリングの変化を素早く捉えて、対応する力が求められます。
重症患者の変化を敏感に捉えながら、急患も対応しなくてはいけないので、常に緊張状態にあります。
とある看護研究では
「自分の1つ1つの行為が患者の命を左右していることに怖さを感じ、瞬時の判断が求まられることに難しさを感じていた」
と報告されています。
プレッシャーに押しつぶされてしまうこともあるので、ICUに慣れるまでは相応の覚悟が必要です。
ICUはプレッシャーとの戦い
学習することが多い、深い

ICUの看護師は、病態生理を深く掘り下げる必要があります。
心臓血管外科患者の学習内容一例
- 疾患(大動脈解離、弁狭窄、狭心症、大動脈瘤など)
- 術式(弁置換、バイパス術、大動脈置換など)
- 呼吸器
- CCOモニター
- スワンガンツカテーテル
- 心電図モニター
- 心エコーの結果(EF値、壁運動、弁の逆流など)
- レントゲン
- CT
- 検査結果(血液検査、血ガス検査)
- 術後侵襲(侵襲学)
- 麻酔や人工心肺の影響
- 術後侵襲
学習したことを患者の個別性と、状態の変化に合わせて、さらに落とし込んでいく形になります。
侵襲は、本が作れてしまうほど深い分野です。
理解するまでかなりの時間と経験を要します。
しかし、重症患者の病態は高度侵襲状態がほとんどなので、侵襲さえ理解してしまえば、ICUに入る患者の9割を理解できます。
ICUでしか使わない機械類も覚える
輸液ポンプやシリンジポンプ、呼吸器はどこでも使うので、使い慣れることはメリットです。
しかし、CHDF(持続緩徐式血管濾過透析)、IABP(大動脈バルーンパンピング)、ECMO(体外式膜型人工心肺)などは、ICUでしか使えません。
とても専門的で難しい機械なのに、がんばって覚えてもICUだけの知識と考えると無駄に思えてしまいます。
重症患者をしっかり管理すること、ICUでしか使えない機械を駆使して患者を助ける医療の最前線に関わりたい人にとっては、とても楽しい分野になります。
ICUでしか使わない専門的な学習も必要
スタッフがピリピリしている
想像どおりの光景ですが、ICUスタッフはとにかくピリピリしています
急変するかも知れないプレッシャーと、小さな見落としが命に関わるプレッシャーで、常に緊張状態にあります。
怖いベテランや中堅がいることは覚悟が必要です。
勉強したり努力するスタッフにはとても親切ですが、少しでもサボったり、仕事が雑な看護師をみつけると厳しい声が飛んできます。

ICUは雰囲気の悪い環境だと思って割り切る必要があります
看護師が辛いと感じる原因を『新人看護師が辛いと感じる7つの原因|人間関係がダントツの1位』でも紹介しています。
まとめ

20代看護師にICUをオススメする理由は
- 受け持ち人数が少ないので集中して看護ができる
- 患者一人一人に向き合い、アセスメントすることができる
- 高い水準の看護技術が身につく
- 毎日の勉強範囲が狭く、集中して学ぶことができる
- 勉強することが多いので、わからないことを素直に聞ける
- 急変時の対応が身につ
20代は看護師としての基礎ができる大切な時期です。
ICUは、結婚や出産でライフワークが変わっていく30代では挑戦しにくい分野になります。
大切な時期に、これからの看護師人生を豊かにするために、20代のうちにICUに挑戦することをオススメします。
ICUで学んだ知識は、必ずどの分野でも役に立つことをお約束します。
